
リハビリ通信 No.158 医療事故調査制度について
2015年06月21日(日) QAリハビリテーション科1新着情報
医療事故調査制度とは国内全ての医療機関と助産所、約18万施設を対象に医療事故が起きた場合、医療事故を調査しなさいという制度です。患者の予期せぬ死亡事例の第三者機関への届け出と院内調査を義務付ける事が2015年10月1日から始まります。主な基本的項目として ①医療機関が自ら調査する。 ②結果報告を受ける第三者機関は警察に通報しない。などが取り決められています。 厚生労労働省によると医療に関連した患者の予期せぬ死亡事例は年間1300~2000件あると言われています。これだけ多くの方が死亡しているのに、この様な制度がなかったのは、刑事責任追及につながる医療者側の反対があったように言われています。原因究明を願う遺族と、責任を追及しすぎると医療側が委縮しリスクを回避する事により医療の進歩が滞ってしまう現実とのバランスが今後の課題になると考えられます。 リハビリテーション室長 見田忠幸 |


リハビリ通信 No.157 半月板損傷に対する徒手検査法について
2015年06月19日(金) QAリハビリテーション科1新着情報
半月板損傷とは、膝関節の屈伸や荷重位での回旋力が加わることで半月板が損傷、断裂、剥離した状態のことをいいます。 診断方法はMRI検査や関節鏡検査にて確定しますが、臨床症状の確認や徒手検査法などもあります。臨床症状として、関節裂隙の圧痛や膝くずれ、弾発音、引っかかり感、膝関節の屈伸時の疼痛などが認められます。半月板損傷に対する徒手検査法としてApley test(左図)とMcMurray test(右図)とがあります。 前者は、腹臥位にて膝関節を屈曲位にし、脛骨長軸に軸圧をかけながら内外旋させることで半月板にストレスをかけて疼痛を誘発するテストのことをいいます。後者は、背臥位にて膝関節を屈曲位から、下腿を回旋させつつ伸展させたときの弾発音や疼痛を再現させるテストのことをいいます。 MRI検査や関節鏡検査がなくても受傷機転や臨床症状の確認、徒手検査法等で所見を得ることが大切となります。 リハビリテーション科 服部 司 |


リハビリ通信 No.156 野球肘について
2015年06月10日(水) QAリハビリテーション科1新着情報
「野球肘」は投球動作の中で肘関節の内側・外側などに痛みが生じるものです。そして当院でも、この野球肘で理学療法を受けられる患者さんが多くいらっしゃいます。野球肘では、図の○印のタイミングで肘関節痛が生じることが多いです。 痛みが生じる部位は肘関節なので、もちろん肘関節で問題が生じているのですが、野球肘の患者さんでは、○印のタイミングで肩甲骨が後ろにしっかり引き切ることができない方が非常に多いです。それは筋肉の柔軟性が低下しているがために肩甲骨を後ろに持っていけないケースと、筋肉の柔軟性はあるけれども筋力低下によって肩甲骨を後ろに持っていけないケースの2パターンがあります。 様々な理由で肩甲骨を後ろに持っていけなくなると、○印の時期に腕を後ろに持っていけなくなるので、早期から体が開いて肘が下がったり、早期から肘が前に出さないと投げられなくなります。このような投球フォームを繰り返すことにより肘関節の内・外側に負荷がかかり続けて野球肘を発症することとなります。 そのため当院の理学療法士は、症状が出ている肘関節はもちろんのこと、肩甲骨の可動性チェックや筋力評価、フォームチェックなどを行うことで患部の負担軽減を図り、症状改善に努めています。 リハビリテーション科 小野正博 |
