

リハビリ通信 No.199 投球動作のphaseについて
2016年05月13日(金) QAリハビリテーション科1新着情報
投球動作のphaseには、多くの分類が用いられており、分類により何相かに分けることができます。例えば下記の図のように①~③:ワインドアップ期、③~④:早期コッキング(アーリーコッキング)期、⑤~⑥:後期コッキング(レイトコッキング)期、⑥~⑦:アクセレレーション(加速)期、⑧~⑨:フォロースルー期の5つに分けることができます。 各phaseでの投球動作に問題があると特定の部位に負担がかかり疼痛が出現します。疼痛の出現する原因には様々あり、投球側の肘下がりや肩甲骨周囲筋の筋力低下、下肢・体幹の柔軟性低下などが挙げられます。 当院を受診する投球肩障害は、10代の患者様が多く、とくに少年野球をしている患者様は投球フォームの未完成や骨の未成熟、筋力不足、また練習過多などの原因により肩関節に疼痛が生じています。 理学療法では、上肢・下肢・体幹の可動性や筋力、投球動作のチェックを行い、問題点を抽出し治療を行っています。 リハビリテーション科 服部 司 |


リハビリ通信 No.198 拘縮について
2016年05月04日(水) QAリハビリテーション科1新着情報
「拘縮」とは、関節外の軟部組織が原因で生じる関節可動域制限のことを言います。その原因組織は皮下組織や腱、腱膜、皮膚、そして筋肉など、様々なものがありますが、その中でも最も関連性のあるものが筋肉です。例えば、骨付きの鶏肉(関節を含む部分)を動かそうとしてもなかなか動きません。しかし、この骨付き鶏肉から肉の部分を取り払ってしまえば関節部分はどこまででも動くようになります。拘縮も同じように考えることができます。つまり、人間の体から筋肉の要素を取り払ってしまえば、関節は自由自在に動けるようになると思います(もちろんその他の組織由来の可動域制限もありますが)。 整形外科疾患に限らず、理学療法を受けられる患者さんのほとんどがこの拘縮に悩まされています。そのため、拘縮治療をいかに上手くやるか、どれだけ拘縮を取り除くことができるかということが治療成績を左右すると考えています。 拘縮治療は主に「筋収縮」を用いて行います。拘縮によって筋自体の柔軟性が低下している場合、筋収縮を促すことで筋肉を運動させて柔軟性を獲得していきます。また、筋肉によっては他の軟部組織と連結している部分があります。そのような解剖学的特徴がある部位では筋の収縮力を用いて連結している組織を引っ張ったり、滑走させたりします。このようにして筋およびその周辺軟部組織へのアプローチを行い、拘縮の除去・可動域制限の改善に努めています。 リハビリテーション科 小野正博 |

