

リハビリ通信 No.203 選定療養費について
2016年06月12日(日) QAリハビリテーション科1新着情報
選定療養費とは200床以上の大病院が紹介状なしの初診患者に請求する特別料金であり、平均設定額が2365円(2014年)です。厚生労働省の調査によると大病院の約半数にあたる1201病院が選定療養費を設定しています。選定療養費の最低は210円で最高は10800円でした。 なぜこのような選定療養費が設定されるのかと言うと、例えば軽い症状でも診療所や中小病院ではなく大病院を受診する患者さんが多いために、大病院が重症患者の治療に専念できなくなり、患者さんの待ち時間が長引き、勤務医の過重労働につながるなどの問題があるからです。こうした問題を是正し、医療機関の役割分担を促すために選定療養費は導入されました。 しかしながら患者さんの負担増加になっても、紹介状なしで大病院を直接訪れる軽症患者は後を絶える事がありません。そこで厚生労働省は2016年4月から大学病院、500床以上の拠点病院など240病院について紹介状なしの初診患者について最低5000円の負担を請求することを実施しています。実際には軽度な症状で、念の為に高度な医療を受けたい患者さんの意識と現実との間で大きなズレがあり、その部分が問題である様に考えられます。将来的には最低負担額がさらに大きくなると予想されます。 リハビリテーション室長 見田忠幸 |


リハビリ通信 No.202 下肢の機能低下と肩痛の関連性について
2016年06月05日(日) QAリハビリテーション科1新着情報
投球動作とは、下肢からの運動連鎖により、体幹・上肢を使って効率よくエネルギーをボールまで増幅させ伝達する全身運動のことをいいます。投球障害肩の要因には、肩関節の可動域制限や肩甲骨固定筋の筋力低下、下肢・体幹の機能低下などが挙げられます。 下肢の機能低下と投球障害肩との関連性について、小・中学生を対象にメディカルチェックを行った結果、下肢の機能低下が生じても肩痛がある人とない人がいたということで直接的な関係性はなかったと報告されています。しかし、下肢を治療しないというわけではありません。 投球障害肩の発生要因として運動連鎖の破綻や下肢の機能低下により下肢からボールへとエネルギーを伝達する運動連鎖が困難となり「いわゆる手投げ」状態になります。この状態で練習しすぎると肩関節の機能低下が起こり、投球動作で大事なzero positionでの投球が困難となり、肩関節に疼痛が生じてしまいます。 理学療法でのfirst targetとなるのが肩甲帯であり、肩関節の可動域制限や肩甲骨固定筋の改善を図り、その後下肢・体幹へと治療を進めています。 リハビリテーション科 服部 司 |

