

骨粗鬆症とともに Vol.7 子どものロコモティブシンドローム
2017年07月02日(日) 新着情報1骨粗鬆症
昨今日本では高齢者の増加とともに要介護者も増え続けており、要支援、要介護の認定要因は転倒、骨折や関節疾患などの運動器障害によるものが上位を占めています。ロコモティブシンドローム(以下ロコモ)は介護の原因となることも多く、高齢化社会においての大きな課題となっています。しかしこのような課題が高齢者だけではなく、子ども世代においても深刻な課題となっている現状があるようです。 文部科学省の「体力・運動能力調査によれば、子どもの体力、運動能力は昭和50年までは上昇していますが、50年から60年までは停滞し、その後昭和60年頃から現在まではずっと低下し続けているそうです。その背景にあるのは子どもの運動不足と言われています。交通機関の発達、家電製品の普及により、生活の中で身体を動かさなくてもよい環境になったこと、テレビやゲームの普及で外遊びが少なくなったことなどが大きく影響していると言われています。 子どもロコモとは子どものロコモティブシンドロームの略であり、運動機能不全および不調とされています。本来は高齢者にみられるからだの硬さや筋力低下が子どもにも同様に起こっている現状があるそうです。 跳び箱に手をついたら骨折した、何度も骨折を繰り返す子どもが多いなどの背景には、子どもロコモが大きく影響していると言われており、深刻な問題として捉えられています。このような現状に早期から介入するため、2016年から学校保健の定期健診の中に運動器検診が導入され、全国の学校で行われるようになりました。 子どもロコモの状態はけがをしやすい状態に陥るだけではなく、しっかり立てない、きちんと座れないということから、勉強への集中や心や身体の発達にまで影響が及ぶと言われています。 参考文献 跳び箱に手をつき骨折する子ども、柴田輝明著、ポプラ社、2016 骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂 |


リハビリ通信 No.235 専門理学療法士制度について
2017年06月22日(木) QAリハビリテーション科1新着情報
「専門理学療法士」とは、専門性を高め、理学療法における学問的発展に寄与する研究能力を高めていくことを目的として作られた制度であり、①基礎理学療法、②神経理学療法、③運動器理学療法、④内部障害理学療法、⑤生活環境支援理学療法、⑥物理療法、⑦教育・管理理学療法の7分野があり、いずれかひとつ以上の専門分野に登録し、専門理学療法士の取得を目指します。取得するためには学会参加や論文の執筆といった学術的な活動に加え、学生の指導といった教育に関する活動など、様々な活動にポイントが設けられ、合計560ポイントを取得すれば専門理学療法士になれるそうです。 現在、日本理学療法士協会の会員である理学療法士数は96648名であり、専門理学療法士取得者数は1792名(約1.8%)だそうです。その中でも整形外科領域(運動器理学療法)の資格取得者数は2016年4月の時点で604名(0.6%)であり、まだまだ取得者数は少ないのが現状です。今後、このような資格を取得できるよう日々の臨床に加え、学術的な活動などもしっかり行い、専門性を高めていきたいと思います。 リハビリテーション科 小野正博 |

