

リハビリ通信 No.248 iPS細胞で認知症薬を開発
2018年01月04日(木) QAリハビリテーション科1新着情報
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(読売新聞 2017年11月22日) アルツハイマー型認知症の患者から作ったiPS細胞を使い発症の原因物質を減らす薬を見つけたと京都大学の研究チームが発表しました。 アルツハイマー型認知症は脳の神経細胞で「アミロイドβ」という、タンパク質が作られ過剰にたまることが主な原因とされています。患者の皮膚からiPS細胞を作って増やし脳の神経細胞に変化させ培養、既存の1258種類の薬を試し「アミロイドβ」を減らす薬を探しました。その結果、パーキンソン病、ぜんそく、てんかんの3種類の薬を同時に加えると最も効果があり、「アミロイドβ」の量が3〜4割減少しました。「アミロイドβ」の量が4割、減少すれば発症や症状の進行が止まると期待されています。今後は臨床試験へと展開されるようです。 リハビリテーション室長 見田忠幸 |

リハビリ通信 No.247 肩関節周囲炎に続発する肩甲帯障害について
2018年01月02日(火) QAリハビリテーション科1新着情報
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五十肩とも呼ばれる肩関節周囲炎の病態の一つに「拘縮」というものがあります。これは関節が固まってしまい、関節可動域に制限が生じてしまう状態をさします。その中でも下図にあるように、①の部位で炎症が生じることによって肩関節の上方支持組織が②のように遠位滑走できなくなり、その結果③のように上腕骨を体側に寄せることができない「外転拘縮」を呈することが多いです。 この外転拘縮が生じると、③の動きができないために肩甲骨を下げることによって腕を体側に寄せるようになります。そうすると、肩甲骨と頸部を結ぶ筋肉、肩甲骨と胸椎を結ぶ筋肉は持続的に牽引されることとなり、肩こりや肩甲骨周囲筋の痛みなどが生じてきます。 症状が出てくる場所が肩甲骨周囲なので原因もその辺りにあるのではないかと思いがちなのですが、このようなケースでは元の原因が①の部分での炎症であり、その結果として③の動きが出来なくなったことが原因となるので、治療は肩甲骨周囲ではなく、②の運動を獲得する事であると考えます。 当院では、理学療法を行う上で原因を探る「評価」をしっかり行い、治療結果につなげられるよう努めています。 リハビリテーション科 小野正博 |

骨粗鬆症とともに Vol.13 骨折予防に必要な栄養素 ビタミンK
2017年12月30日(土) 新着情報1骨粗鬆症
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骨粗鬆症の予防に対し、一般的な知識として認知度が高いのはカルシウムの摂取です。そのため、カルシウムだけ十分に摂っていれば骨折しないと誤解したり、カルシウムを一生懸命摂っているのに骨密度が上がらないと悩んだりするといった現状があります。カルシウムだけではなく、まんべんなくバランスのよい食事摂取をこころがけることが骨粗鬆症予防には重要です。 その中で必要な栄養素のひとつがビタミンKであり、ビタミンKの摂取は骨の健康と密接に関わっています。ビタミンKはカルシウムが骨へ沈着(石灰化)するのを促し、骨からカルシウムが流出するのを抑えます。 ビタミンKの1日あたりの推奨摂取量は250~300㎍で緑の葉の野菜、納豆に多く含まれています。 厚生労働省の研究チームによる調査によると、骨粗鬆症が主な原因の大腿骨頸部骨折の発生件数を都道府県別に見ると、東北や関東では骨折は少なく、九州や四国、近畿などの西の地方に多く、はっきりとした西高東低の分布になっているそうです。このデータは納豆の消費と反比例しており、消費量が多いベスト10は東北と関東の地域となっています。反対にワースト20までは関西、四国、九州地方が多くを占めており、興味深いデータとなっています。 納豆消費量 1位 福島県 2位 茨城県 3位 群馬県・・・45位 徳島県 46位 大阪府 47位 和歌山県
骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂
参考文献 骨粗鬆症の最新治療、石橋英明監修、主婦の友社、2016 整形外科看護 第22巻12号(通巻285号)、メディカ出版、2017 | |||||||||||||||||||||||










