
骨粗鬆症とともに Vol.18 大腿骨近位部骨折を起こした患者の一年後は・・・
2018年05月31日(木) 新着情報1骨粗鬆症
大腿骨近位部(脚の付け根)は骨粗鬆症が原因で骨折しやすい部分と言われています。この骨折の原因の多くは転倒であり、立った高さからの転倒でも起こります。男性は75歳くらいから、女性は70歳すぎると急増します。通常は手術をしてリハビリを行いますが、大腿骨近位部骨折を起こした方の多くは歩行能力やその他の日常生活動作、さらには認知機能の低下を来すこともあります。 先日参加した骨粗鬆症リエゾン研修で聴いた、大腿骨近位部骨折を起こした方の一年後のデータを皆様にもお示ししたいと思います。 約60%の人が何らかの介護が必要となる。約40%の人が一人で歩行ができない状態になってしまう。約20~24%の人が死亡する。約33%の人が施設に入所している。という現状だそうです。そして大腿骨近位部骨折を起こした人の約50%は以前に何らかの骨折を起こしていたそうです。 このような現状からも骨粗鬆症の治療を開始し、継続していくことが重要だと言えます。しかし転医や入院を機に治療が中断されてしまう、治療効果が感じられずに治療を中断してしまうなどの現状があります。 いつまでも健康で自立した生活を送れるように、私達骨粗鬆マネージャーは医療者間での連携を図りながら、治療率の向上と治療の継続を目指して地域の方々に貢献していきたいと思っています。 骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂
参考文献 骨粗鬆症の最新治療、石橋英明監修、主婦の友社、2016 2018年4月24日開催、骨粗鬆症リエゾンセミナー 健愛記念病院整形外科副院長 池田聡先生の講演内容より
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リハビリ通信 No.260 起き上がり動作について
2018年05月20日(日) QAリハビリテーション科1新着情報
長期にわたる臥床や活動性が低下することにより生じる筋力低下の影響で、日常生活動作に支障をきたす状態になった方の運動療法を担当する機会があり、その中でも起き上がり動作がしにくいという方もたくさんおられます。 起き上がり動作は、寝ている姿勢から骨盤が起き上がり、そしてその上に位置する脊柱や胸郭が起き上がることで動作が完成します。 この起き上がり動作が困難な方から「腹筋が弱いから起き上がりにくい。」という話をお聞きするですが、起き上がり動作では上述したような動作の特性があるため、腹筋よりもむしろ「股関節の前面に位置する筋の筋力」が必要であり、この筋肉が作用することにより骨盤が起き上がり、起き上がりが可能となります。 そのため、我々理学療法士は動作の特性を考慮した上、どのような筋を作用させなければならないのか、どの筋の筋力を強化しなければならないのかを評価しながら運動療法を行っています。 リハビリテーション科 小野正博 |


リハビリ通信 No.259 肩関節の外転
2018年05月16日(水) QAリハビリテーション科1新着情報
前額矢状軸における前額面上の運動で、身体から離れていく動きを外転といいます。(図1) 肩峰を通る垂直線を基本軸とし、上腕骨を移動軸としてみることで角度を測定し判断します。参考可動域は0°から180°となっております。また、90°以上は前腕を回外させることを原則としています。(掌を上に向ける動き)この外転という動きも鎖骨、肩甲骨、上腕骨がスムーズに動くことで大きな可動性を得ています。(図2) 肩甲骨の固定性のほとんどはまわりの筋肉に依存することとなります。従って、土台となる肩甲骨のまわりの筋肉が低下することで関節可動域が確保されていても、肩が上がらない。肩が痛いという状態が引き起こされます。その場合、低下している筋肉を向上、改善させることで肩関節の機能向上を図ることができます。 リハビリテーション科 堤 豊 |
