
リハビリ通信 No.267 高齢者骨折と小児骨折について
2018年08月12日(日) QAリハビリテーション科1新着情報
高齢者の骨折は骨強度の低下による脆弱性の骨折が多く、それらに加え筋力低下、バランス低下が要因となり転倒して骨折に至ります。よく見られる骨折部位は大腿骨頚部骨折 上腕骨近位端骨折、橈骨遠位端骨折、椎体圧迫骨折です。高齢者の骨は硬く、骨折はガラスが割れる様にわずかな力を加え一部が破損すれば、ポキンと骨が破損し骨折します。 逆に小児は骨に弾力があり、骨膜が厚く柔らかい為、ポキンと折れることはなく竹を折る様に連続性を保ちながら骨折に至ります。小児骨折で多い骨折部位は前腕・肘関節周囲です。上肢だけで約半数以上が見られ、続いて鎖骨骨折、下腿骨折です。小児骨折の場合、高齢者よりも骨癒合が早く完治期間も短いと言われていますが、骨端線の骨折での成長障害、骨幹部での骨折による過成長障害により後遺症を誘発しない様に注意が必要です。 リハビリテーション室長 見田忠幸 |


夏期休業のお知らせ
2018年08月09日(木) クリニックインフォメーション1新着情報
当クリニックでは下記の期間を夏期休業とさせていただきますので、ご案内いたします。休業期間は何かとご迷惑をおかけすることと存じますが、ご容赦くださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます。 夏期休業期間 平成30年8月11日(土)~平成30年8月15日(水)
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骨粗鬆症とともに Vol.20 注射、点滴によるビスホスホネート製剤
2018年08月05日(日) 新着情報1骨粗鬆症
骨粗鬆症の薬による治療は、骨折の有無、骨密度の値、骨折の危険性などを総合的に考慮して開始されます。骨粗鬆症の薬には色々な種類があります。薬の作用から、骨が壊れるのを防ぐ骨吸収抑制薬と骨をつくるのを促す骨形成促進薬、骨に重要な栄養素を補給して治療する薬などの種類があります。 骨が壊れるのを防ぐ骨吸収抑制薬のひとつであるビスホスホネート製剤は骨粗鬆症治療薬の基本になる薬とも言えます。それまでは骨に重要な栄養素を補給して治療する薬、ビタミンD製剤などが治療の主流でしたが、1996年にビスホスホネート製剤が発売開始となってから、骨密度の上昇から骨折抑制効果がさらに証明されたと言われています。その後今日までも開発が進み、内服薬のほか注射や点滴製剤もあります。ビスホスホネート内服製剤では消化管からの吸収率が低いため、水以外の飲食物は服用後30分以上経たないと摂取できません。また確実に胃内に到達させるために、服用後30分は横になってはいけないという制限があります。しかし注射や点滴では血管内にダイレクトに投与されるため、そのような制限もなく、血中移行が100%達成できるというメリットも大きいです。週1回、月1回では薬をのみ忘れてしまうという方にも確実に治療できる方法かもしれません。 骨粗鬆症の薬物治療の目的は骨粗鬆症性の骨折を予防し、骨折による日常生活動作の低下を予防し、生活の質の低下を防ぐことです。しかし骨粗鬆症の薬物治療では5年以内に52.1%が脱落してしまうというデータがありあます。患者様のライフスタイルやお好みに合わせた薬、投与方法を選んでいただき、確実に治療を継続してもらえるように準備、支援させていただいています。 骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂
参考文献 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版、ライフサイエンス出版、2015 |

