リハビリ通信 No.353 アキレス腱炎について
2022年12月06日(火) QAリハビリテーション科1新着情報
アキレス腱炎はアキレス腱実質部、アキレス腱付着部周囲2~6cmでの障害、炎症です。アキレス腱付着部2~6㎝近位は血流の少ない部位があり、アキレス腱実質部は腱鞘に包まれておらずパラテノンという膜に覆われています。アキレス腱自体はストレスを受けやすく付着部にかかる牽引ストレスはとても大きいのですが、解剖学構造(enthesis organ wrap around 構造、滑液包、Kager’s fat pad脂肪体、アキレス腱付着部での捻じれ構造)で強い牽引ストレス、つまり力学的ストレスの分散作用と栄養血管を供給する作用があります。しかし、アキレス腱炎・障害の患者さんは何らかの要因によりアキレス腱に負担がかかり炎症を惹起していると考えられ、理学療法ではアキレス腱周囲部、股・膝・足関節全体を評価し筋の柔軟性低下によるものなのか、その他軟部組織(脂肪体、靱帯)の癒着・拘縮、滑液包の炎症、距骨下関節の拘縮などを考えます。同時に足底板・インソールの処方も考えて行きます。 リハビリテーション室長 見田忠幸 |