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骨粗鬆症とともに Vol.56 骨密度は正常なのにどうして骨折するの?

2022年03月27日(日) 新着情報1骨粗鬆症

残念ながら骨折を起こして来院された患者さんから、骨密度は正常だったのにどうして骨折してしまうの?と聞かれることがよくあります。骨密度の結果では問題がなかったのに、骨折をおこしてしまうのはどうしてなのでしょうか。

そもそも骨の強さである骨強度は、骨密度(70%)+骨質(30%)で決まっています。鉄筋コンクリートでできているビルを骨に例えて考えてみます。骨密度がコンクリートで骨質が鉄筋です。コンクリートが丈夫でも、鉄筋がさびていては構造上弱くなります。つまり一見同じビルでも、中の鉄筋がさびていてはビルが壊れる可能性があるように、骨密度は正常でも骨質が劣化した状態では骨が脆くなり、骨折を起こしやすい状態になるということです。

最近では市の検診などで骨密度を測定する機会が増えてきていますが、数値に関係なく若い時に比べて背が小さくなったと感じたり、背中が曲がってきたなと感じたりした方は骨粗鬆症になっている可能性がありますのでご相談いただくことをお勧めします。

骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂

参考文献 整形外科看護 第27巻3号(通巻344号) メディカ出版 2022