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リハビリ通信 No.321 膝関節前十字靱帯の作用・手術について

2020年10月01日(木) QAリハビリテーション科1新着情報

膝関節には4つの靱帯があります。内側側副靱帯、外側側副靭帯、膝関節前十字靭帯、膝関節後十字靭帯です。特に重要な靭帯は前十字靭帯です。前十字靭帯は脛骨の前方への移動、つまり前方への引き出し制動作用があります。

近年、前十字靭帯が損傷した場合、二重束での再建術(半腱様筋腱を用いた再建靱帯)か、BTB(膝蓋骨付着膝蓋腱を用いた)の一束再建靱帯による手術が多いようです。二重束での解剖学的再建術(半腱様筋腱使用の再建靱帯)は再建靱帯を2束使用します。

前十字靭帯の前内側線維束(AMB:anteromedial bundle)・後外側線維束(PLB:posterolateral bundle)の2つの移植腱の働きを考慮して設置します。前内側線維束(AMB:anteromedial bundle)は相対的に膝関節屈曲位において緊張し主に屈曲位で前方制動性に関与します。一方、後外側線維束(PLB:posterolateral bundle)は相対的に伸展位において緊張し、伸展位で前方および回旋制動性に関与します。

リハビリテーション室長 見田忠幸