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リハビリ通信 No.312 膝関節伸展制限改善の重要性について

2020年02月04日(火) QAリハビリテーション科1新着情報

膝関節は屈曲制限よりも伸展制限を改善する方が重要になります。とくに膝関節完全伸展を獲得することは膝の治療を考える上で最も難しく重要であると思われます。

日常生活の活動動作で立位保持、立ち上がり動作、歩行は必ず行われ必要です。しかし、完全屈曲である正座が出来なくても日常生活上では、困ることは少ないと考えられます。

膝関節完全伸展位、つまり立位姿勢の場合、解剖学的に大腿骨と脛骨による支持性が起き、骨のロックによる安定性が確保されています。また、膝関節は靱帯の関節とも呼ばれ、「内側側副靭帯、外側側副靭帯、前十字靭帯、後十字靭帯」の4つの靱帯が骨による支持性と共に静的安定化機能として働きます。例えば変形性膝関節症の患者さんに伸展制限がある場合(スクワットが続いている状態)、活動動作時に常に筋が働き負担がかかっています。つまり損傷・炎症が常時、関節、軟部組織に起こり疼痛が誘発されます。

理学療法では膝関節の伸展制限を改善することにより、静的安定化機能を促し膝関節の支持性および安定性を高めて行きます。

リハビリテーション室長 見田忠幸