骨粗鬆症とともに Vol.32 フレイルとは
2019年07月29日(月) 新着情報1骨粗鬆症
皆様はフレイルという言葉をご存知でしょうか。元々欧米で生まれた言葉といわれており、その言葉の意味は、加齢により生理的な予備能が低下するとストレスに対する脆弱性が亢進して生活能力が阻害される、要介護や死亡リスクが高まってしまうなどの状態を指します。日本では虚弱、老衰、脆弱などと訳されています。フレイルは、適切な介入を行えば、要介護状態への移行を防げる中間的な段階と位置づけられており、高齢化が進む中、国レベルで対策が広がってきている現状があります。 フレイルには①筋力の低下により転倒しやすくなるといった身体的な問題(身体的フレイル)、②認知機能障害やうつなど精神的・心理的な問題(認知的フレイル)、③独居や経済的困窮など社会的な問題(社会的フレイル)の3つの概念が含まれています。 フレイル対策の実際として、メタボをはじめとした生活習慣病対策、栄養不良、運動不足などの生活習慣、骨粗鬆症を含む疾患の管理のほかに、認知症予防や高齢者の社会参加が重要であるとされています。具体的にはかかりつけ医を受診する、市町村の集会、サロンなどへの参加、検診を受診する、地域住民とのつながりをもつ、社会資源の活用などがあげられます。 高齢化が進む昨今、医療費、介護費は増大する一方であり、支える側の資源にも限りがあるため、フレイル対策が重要であるとされています。地域の方々と連携し、私達も予防に向けての参加や働きかけで、少しでも貢献していきたいと思います。 骨粗鬆症マネージャー 石山 瑞穂
参考文献 Osteoporosis Japan PLUS 第4巻 第2号 ライフサイエンス出版 2019 |