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骨粗鬆症とともに Vol.27 ステロイド性骨粗鬆症

2019年02月25日(月) 新着情報1骨粗鬆症

ステロイドとは副腎からつくられる副腎皮質ホルモンのひとつです。ステロイドホルモン薬には強い抗炎症作用や、免疫抑制作用などがあり、さまざまな疾患の治療に使用されます。しかし、効果が期待され臨床では頼りになる治療薬である反面、副作用も多く注意が必要です。

特に注意すべき副作用のひとつがステロイド性骨粗鬆症です。長期でステロイド治療を受けている患者の30~50%に骨折が起こるとの報告があり、小児から高齢者、女性、男性に関わらず幅広く起こります。

ステロイド性骨粗鬆症の病態には骨形成(新しく骨を造る)の低下と骨吸収(骨が壊れて吸収される)の亢進の両方が関与しています。骨形成の低下は、ステロイドの作用が、骨を造って増やす働きである骨芽細胞や骨細胞の寿命を短縮させます。骨吸収の促進は、腸管カルシウム吸収量の減少と尿中カルシウム排泄増加の結果生じる二次性副甲状腺機能亢進症であるとされています。ステロイド内服後は骨量が減少するとの報告があり、骨折のリスクは上昇するとの報告があります。

ステロイド治療中の患者に重要なことは、骨密度低下と骨折リスク上昇を抑制する一次予防(最初の脆弱性骨折の予防)とその後の二次予防(新たな骨折の予防)であるとされています。原疾患の治療だけに留まり副作用で起こる骨粗鬆症が見逃されている場合も多いと言われています。御心配な方は是非御相談いただきたいと思います。

 

骨粗鬆症マネージャー  石山瑞穂

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献

骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン2015年版、骨粗鬆症治療の予防と治療ガイドライン作成委員会編集、ライフサイエンス社 2015