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骨粗鬆症とともに Vol.24 骨密度検査結果の数字はどのように見るの?

2018年11月29日(木) 新着情報1骨粗鬆症

骨粗鬆症は骨が弱くなって骨折しやすくなる病気ですが、WHO(世界保健機関)では、骨粗鬆症は「低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、骨の脆弱性が増大し、骨折の危険性が増大する疾患である」と定義づけられています。骨粗鬆症の自覚症状は少なく、骨折して病院に行って骨粗鬆症であることを知ることがほとんどではないでしょうか。高齢者、中年以降の女性では骨粗鬆症がすすんできていることが多く、当院でも診断や治療効果の判定の手段として骨密度検査を実施しています。

骨密度とは、骨の強さ(骨強度)を判定するための尺度のひとつで、骨の中にカルシウムやマグネシウムなどのミネラルの成分(骨塩)がどのくらいあるのかを計測するものです。骨密度が低下してくると骨がもろくなり骨折しやすい状態といえますので、自分の骨の状態を知っておくことが必要です。

当院では腕の先(前腕)だけを測定する機械を導入しています。検査結果にはTスコア(若年平均比較)とZスコア(同年齢比較)が表示されています。Tスコアは若い最も骨量が多い時を100%として被験者を比較したものであり、この値が実際に診断や評価に用いられます。日本ではyoung adult mean(YAM値)と比べて何%減少しているかで判断しており、Tスコアが80%以上なら正常、70%以上~80%未満なら骨塩減少、70%未満なら骨粗鬆症と診断されます。Zスコアは同年代の方に対してどれくらいなのかを見る指標であり、骨粗鬆症の診断には用いられません。

骨粗鬆マネージャー 石山 瑞穂

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献

整形外科看護 整形外科のキーワード辞典394 メディカ出版