骨粗鬆症とともに Vol.16 整形外科診察で確認する身体所見のひとつ 叩打痛(こうだつう)
2018年04月02日(月) 新着情報1骨粗鬆症
叩打痛(こうだつう)とは、局所を軽く叩いた時の振動によって起こる痛みのことです。打撲や骨折、化膿や炎症を生じている部位を軽く叩くと痛みが起こることを指します。 整形外科の診察場面で、急性腰背部痛を来して受診された場合、診断の根拠となるレントゲン画像とともに、叩打痛を確認することが多いです。なかでも高齢患者の場合、骨粗鬆症による椎体骨折を疑う症例が多く、軽く腰背部を叩いた際の痛みを確認することで、骨折の有無をある程度予測することも可能です。画像上骨折を疑う所見があっても、叩いた時の痛みの程度で、新しい骨折なのか、陳旧性の骨折なのかを判断することもある程度可能です。 しかし整形外科領域と思って来院された場合でも、筋骨格系が原因でないと考えられる場合もあるため、自覚症状をはじめ身体所見を細かく確認する必要があります。 骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂
参考文献 松本守雄、ナースのためのやさしくわかる整形外科、(株)ナツメ社、2015. |