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骨粗鬆症とともに Vol.15 脆弱性椎体骨折を起こしたら安静にしないといけない?

2018年03月01日(木) 新着情報1骨粗鬆症

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骨粗鬆症が原因で起こりやすい骨折の中でも最も多いとされているのが脊椎椎体骨折であり、わが国の年間発生件数は約100万件と推定されています。当院でも軽微な外力をきっかけに発生してしまった方が多く治療に通われていますが、そのような患者さんからよく聞かれるのが「できるだけ動かないようにしたほうがいいですか?」という内容の質問です。

骨粗鬆症を基盤とした脆弱性骨折の場合絶対安静の必要はなく、痛みに応じて動く必要があります。安静にして寝てばかりいると、認知機能の低下や筋力の低下、床ずれや肺炎など安静による弊害が起こり、もとの日常生活動作のレベルに戻れないことがあるからです。

急性期は強い痛みを伴うことも多いため、薬物や体幹装具(コルセット)の使用でコントロールを行います。コルセットは就寝時以外装着し、仮骨形成がみられる8~12週目以降を目安に除去のタイミングを医師と相談します。このような治療を組み合わせながら、一般的には日常生活動作を維持しながらの保存治療が原則とされています。原因である骨粗鬆症に対して、骨密度が著しく低い症例や、以前にも椎体の骨折を起こしている症例では医師と相談し治療を開始することをお勧めします。

骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献

整形外科看護12月号. 2017vol22. メディカ出版