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リハビリ通信 No.243 神経の変性について

2017年10月20日(金) QAリハビリテーション科1新着情報

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整形外科の領域で対象となる疾患に手根管症候群や肘部管症候群、腓骨神経麻痺などといった末梢神経障害があり、神経が麻痺してしまうことによりしびれや筋力低下といった症状が出現します。これらは様々な要因により神経が圧迫されることにより神経症状が出現する疾患であるため治療法は「神経を圧迫している要因を除去する・除圧すること」です。

しかし中には手術治療を受けてもしびれが残存したり、筋力低下がなかなか改善しないケースを経験します。その原因として「神経が圧迫を受けている期間」が重要であり、予後に大きく影響してきます。

神経は圧迫されると、圧迫部はへこんでしまいます(神経にくびれができる状態)。圧迫を受けて神経症状が出てすぐに治療が行われたケースにおいては、圧迫を除去することでへこんでしまっていた神経が元の形に戻る(へこんだ部分が元の形に膨らんでくる)ので予後良好です。しかし、数ヶ月~数年という長い期間圧迫を受け続けていた神経は圧迫要因を除去しても神経がへこんでしまったままで元に戻らなくなってしまい、その結果、神経症状が残存することとなります。

何らかの症状が出ていても「そのうち治る」、「もう少し様子をみよう」と思い、そのままにしてしまいがちですが、我慢のし過ぎは予後を左右することとなりますので注意してくださいね。

リハビリテーション科 小野正博