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リハビリ通信 No.217 脳梗塞とペナンブラについて

2016年10月09日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

図

脳梗塞とは、脳血管が血栓により閉塞し、脳血流が低下することで酸素や栄養が脳神経細胞へ行かず壊死してしまう病気のことをいいます。脳が虚血に陥ると閉塞した血管の支配領域の中心部(梗塞部分)と、その周辺部分をペナンブラといいます。(上図)

ペナンブラとは、機能障害の状態になりますが神経細胞は、生存しているので速やかに血流を開通させることで、梗塞への移行を阻止できると期待される部位となります。

脳梗塞の急性期の治療の狙いとして、このペナンブラ領域を救うことであり、治療方法の一つとしてT-PA(組織プラスミノーゲンアクチベーター)があります。薬剤を投与することで閉塞させている血栓を溶かし、血流を急速に改善させる効果がありますが使用方法を誤ると出血し、重篤な合併症が生じる危険性があります。また、発症後3時間以内に投与しなければなりません。

脳梗塞の前駆症状として意識障害や感覚障害、手足が動かない、呂律が回らないなどが挙げられるので、このような症状が生じたらすぐに救急車を呼ぶことが大切になります。

リハビリテーション科 服部 司