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リハビリ通信 No.216 母指CM関節症について

2016年10月02日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

 

 

図1図1

図2図2

母指CM関節症とは、母指(親指)の付け根にある関節(図1)の変形性関節症であり、物を把持した時、親指と人差し指で物をつまむ動作で痛みが生じるのが特徴であり、日常診療の中でよく遭遇します。このCM関節症の治療法は「装具により固定する保存療法」と「手術療法」の2つがありますが、まずは保存療法が行われ、それが無効だった場合、外科的治療が行われます。

保存療法としては、患部を使うと痛みが生じてしまうため、固定による患部の局所安静、関節の安定化を目的とした装具(図2)をしばらくの間装着する方法が行われます。しかし、この装具は患部の動きを完全に制動できるものではなく、「装具をつけていてもなかなか痛みが取れない。」という声もよく聞きます。したがって、本疾患に対する保存療法はまだまだ課題がたくさんあり、改良していかなければならない分野です。

どのように痛みを改善していくのか、どのような治療法が効果的なのかを日々考え、少しでも患者さんの痛みの緩和につながるよう努めていきます。

リハビリテーション科 小野正博