リハビリ通信 No.207 骨棘について
2016年07月24日(日) QAリハビリテーション科1新着情報
変形性関節症の病態の1つとして「骨棘(こつきょく)」があります。荷重部の関節軟骨は、荷重による負荷によって変性していきます。その一方で、非荷重部軟骨は増殖し、やがて軟骨内で骨化機序が働いて骨化増大し、この骨棘が形成されます。このような作用により骨の棘(とげ)ができてしまい、骨の変形が生じます。 骨棘はもともとあるものではないため、「変形した結果のもの」、「関節可動域制限の因子」といったあまり良いイメージが無いですが、不安定な関節を安定させる要素である場合もあり、生体防御反応の一種であるとも考えられます。 図は腰椎のレントゲン画像ですが、たくさん骨棘が形成され、変形しています。骨棘の形、関節の不安定性などにもよりますが、腰椎の側屈を止めるように形成されているようにも見えます。つまり、関節の不安定性を止めるように骨棘を側方に形成しているようにも見ることができます。 当院では、理学療法を行う上でレントゲンをしっかりチェックし、骨棘の形成や関節の不安定性などを評価しますが、「骨棘ができていて関節(骨)が変形している」というだけではなく、それが「不安定性を止めようとして形成されたものなのか」などを考えながら治療を行っています。 リハビリテーション科 小野正博 |