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リハビリ通信 No.195 手根管症候群について

2016年04月10日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

イラスト

手関節の手のひら側にある骨(手骨骨)と靭帯(手根横靭帯)により構成されるトンネルのことを手根管と言います。そのトンネルの中には指を曲げる筋肉の腱(浅指屈筋腱、深指屈筋腱、長母指屈筋腱、橈側手根屈筋腱)と正中神経が通過します。そして、この手根管内で正中神経が狭窄されて生じる疾患を「手根管症候群」と言います。手根管症候群の原因は様々なものがありますが、神経が紋扼されるため、母指~環指の橈側(親指側)のしびれや痛み、母指球筋の筋力低下といった神経症状を呈します。

治療法は手術により神経の圧迫を除去するという方法がとられます。神経は圧迫を受けるとへこんでしまいます。圧迫されている期間が短い場合、手術により圧迫要因を除去することでへこんでしまっていた部分が元に戻り、神経症状も消失してきます。しかし、圧迫を受けたまま長期間経過しているようなケースでは、へこんでしまった神経が元の形に戻らず、術後もしびれのような神経症状や筋力低下がなかなか改善しないという場合もあります。そのため、手(指)のしびれを自覚するような場合は速やかに受診することが大切であると考えられます。

リハビリテーション科 小野正博