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リハビリ通信 No.189 肩甲骨固定筋の筋力低下と肩こりについて

2016年03月05日(土) QAリハビリテーション科1新着情報

図1(図1)

図2(図2)図3(図3)

肩こりの原因は、様々なことが言われています。その数ある原因の一つとして肩甲骨固定筋の筋力低下があります。

人間の肩甲骨は胸郭上に乗るような構造をしており、様々な筋肉によって肩甲骨は胸郭から離れないように固定されています。その中でも、図1にある「僧帽筋」という筋肉が肩こりと大きく関連しているものと考えられます。この僧帽筋が筋力低下を起こすと、肩甲骨は重力に抗することができずに下がってしまいます(図2)。その結果、肩こりの好発部位である肩甲挙筋という筋肉(図3)が持続的に牽引されることにより肩こりが生じてくると考えられます。

様々な肩関節疾患を罹患して関節運動が長期に渡って制限された結果、この僧帽筋の筋力低下が生じるケースはよく経験します。その結果、二次的障害として肩こりを自覚しておられる患者さんもたくさんいます。われわれ理学療法士は肩甲骨の位置や筋力をチェックし、二次的に生じる肩こりやその他の症状の予防も念頭に置いて治療にあたっています。

リハビリテーション科 小野正博