新着情報

リハビリ通信 No.186 人工膝関節全置換術後の運動療法について

2016年02月07日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

イラスト

人工膝関節全置換術(Total Knee althroplasty:TKA)は、変形性膝関節症や関節リウマチなどにより変形した関節を人工関節とする手術です。当院においても、同手術を受けられた患者さんの運動療法を行う機会があります。

TKAは大腿骨、脛骨の骨切りをした部分に金属製の人工関節を挿入します。術後炎症は表面上のものではなく、骨切りした部分をはじめ、かなり深層から生じます。炎症が生じた場所では発痛物質をはじめ、関節拘縮を引き起こすような物質が多く出現します。つまり運動療法において表層へのアプローチばかりしていると関節の可動域制限が生じ、運動が制限されることとなってしまいます。

TKA後の運動療法では筋の滑走性改善、癒着剥離を行い、関節可動域の獲得を目指します。その中で「筋収縮」を用いたアプローチがあります。各筋にはそれぞれ作用(筋肉の動き方)があります。この筋の作用を考慮しながら筋収縮を促し筋の延長部にある腱の滑走性を維持し、拘縮・可動域制限の改善を図ります。

当院の理学療法士は、この「筋収縮」を用いたアプローチを実施しています。

リハビリテーション科 小野正博