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リハビリ通信 No.183 単関節筋と二関節筋について

2016年01月25日(月) QAリハビリテーション科1新着情報

図

全身には数多くの筋肉が存在します。筋肉は骨に付着し、そして骨に停止します。そのため、筋肉が収縮することで骨が牽引され、運動が遂行されます。この筋肉の始まりの部分を「起始」と言い、終わりの部分を「停止」と言います。通常、この起始と停止の間には関節が位置するので、関節運動が可能となります。

筋肉の起始・停止の間に関節が一つ位置する場合、その筋肉は「単関節筋」と呼び、関節が二つ位置する時には「二関節筋」と呼びます。例えば図1の筋肉(上腕筋)は、肘関節前面に位置し、筋肉の起始・停止の間に関節が一つだけ(肘関節だけ)が位置する単関節筋です。この筋肉は肘関節の運動に関わる筋肉であり、肩関節などの隣接関節までまたぐものではないため、他の関節のポジションに影響を受けることはありません。

図2の筋肉(上腕二頭筋)では、筋肉の起始・停止間に肘関節と肩関節の二つが存在しており、二関節筋となっています。筋肉の働きとしては肘関節の運動(肘関節の屈曲)に関わるため、作用としては上腕筋と同じです。このような二関節筋では、肩関節のポジションの影響を受けます。肩関節屈曲位(腕を挙げた肢位)では、この上腕二頭筋の筋肉は緩んでしまい、筋の収縮効率が低下します。つまり、肩関節下垂位よりも挙上位では作用が低下することとなります。

筋肉にはこのような特徴があります。当院の理学療法士はこのような筋肉の特性、機能解剖学をもとに治療にあたっています。

リハビリテーション科 小野正博