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リハビリ通信 No.174 骨棘について

2015年11月06日(金) QAリハビリテーション科1新着情報

イラスト

「骨棘(こつきょく)」とは、骨に繰り返し衝撃が加わったり、骨に付着する靭帯などの軟部組織が繰り返し牽引されることにより生じる、いわゆる骨の変形です。骨は部位にもよりますが、丸みを帯びた形態となっています。そこに機械的ストレスが加わることで生体防御反応が働き、骨棘を形成すると考えられます。

この骨棘は、関節を安定させよう、異常な動きを制動しようという防御反応です。その一方で、様々な制限因子にもなります。例えば変形性膝関節症においては、この骨棘が形成されることにより骨の大きさは元のサイズよりも若干大きくなってしまいます。そのため、膝関節周囲を覆っている筋肉は通常よりも伸張されなければならないようになります。靭帯においては、今までよりも大きく滑走できるだけのゆとりが必要となってきます。また、手関節周囲での骨棘が形成されると、腱と接触し、そこで生じる摩擦ストレスによって腱が断裂してしまうこともあります。このように、可動域制限の因子となったり、二次障害の原因にもなってしまいかねない組織でもあります。

当院の理学療法士は、この「骨棘」の有無や形態などをレントゲンでチェックし、どのような運動が効果的なのか、どのように操作すれば安全なのかなどを評価しながら運動療法を実施しています。

リハビリテーション科 小野正博