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リハビリ通信 No.156 野球肘について

2015年06月10日(水) QAリハビリテーション科1新着情報

図

「野球肘」は投球動作の中で肘関節の内側・外側などに痛みが生じるものです。そして当院でも、この野球肘で理学療法を受けられる患者さんが多くいらっしゃいます。野球肘では、図の○印のタイミングで肘関節痛が生じることが多いです。

痛みが生じる部位は肘関節なので、もちろん肘関節で問題が生じているのですが、野球肘の患者さんでは、○印のタイミングで肩甲骨が後ろにしっかり引き切ることができない方が非常に多いです。それは筋肉の柔軟性が低下しているがために肩甲骨を後ろに持っていけないケースと、筋肉の柔軟性はあるけれども筋力低下によって肩甲骨を後ろに持っていけないケースの2パターンがあります。

様々な理由で肩甲骨を後ろに持っていけなくなると、○印の時期に腕を後ろに持っていけなくなるので、早期から体が開いて肘が下がったり、早期から肘が前に出さないと投げられなくなります。このような投球フォームを繰り返すことにより肘関節の内・外側に負荷がかかり続けて野球肘を発症することとなります。

そのため当院の理学療法士は、症状が出ている肘関節はもちろんのこと、肩甲骨の可動性チェックや筋力評価、フォームチェックなどを行うことで患部の負担軽減を図り、症状改善に努めています。

リハビリテーション科 小野正博