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リハビリ通信 No.137 関節リウマチ原因分子の特定について

2015年01月11日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

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関節リウマチは自己免疫疾患と言って、本来、体の外部から侵入して来る病原体から身を守るはずの免疫系に異常があり誤って自分の身体を攻撃することにより発症します。さらに詳細に説明すると外部から侵入する病原体を攻撃する免疫系のT細胞が体内には備わっています。通常はどの病原体に対して免疫反応を起こすか、T細胞が司令塔的な役割をして決めていますがT細胞の不制御(T細胞の中でも自分で自分を攻撃するT細胞)により自分の身体を攻撃し始めます。それらが原因となり関節リウマチが発症すると考えられています。

今まで関節リウマチは免疫系が何に対し攻撃し関節炎へと至るのか、そのプロセスが謎であったが、京都大学の研究チームが特定しました。T細胞が認識する攻撃対象はRPL23A(60s ribosomal protein L23a)分子と言うタンパク質です。関節リウマチの患者さんの約17%に、この分子の免疫細胞が反応していました。原因となる分子からT細胞を抑制する根本的な治療へと関節リウマチの治療が対処療法から根本的な治療へと変換する可能性があります。

リハビリテーション室長 見田忠幸