リハビリ通信 No.124 第27回日本臨床整形外科学会の参加報告
2014年08月24日(日) QAリハビリテーション科1新着情報
7月20日~21日に仙台で開催された日本臨床整形外科学会学術集会にて「橈骨遠位端骨折変形治癒例における理学療法経験」という演題を発表してきました。この学会では整形外科医をはじめ、コメディカル(看護師・理学療法士・作業療法士、等)も発表し、職種の枠を越えてディスカッションが行われました。 今回、私が発表した「橈骨遠位端骨折」とは手首の骨折であり、上腕骨近位端骨折・脊柱圧迫骨折・大腿骨頸部骨折とともに「高齢者の4大骨折」と言われる発生頻度の高い骨折です(全骨折の1/6程度の頻度だそうです)。本骨折の合併症の一つとして「変形治癒」があり、骨折部が転位したまま骨癒合することにより変形が完成してしまいます。変形、つまり骨の形が変わると関節の機能としても変化してしまうので、後々可動域制限や運動時痛、関節不安定性が続発してきます。しかし今回、変形治癒を呈した症例に対し、関節操作の方法と運動をする時期を考慮することで、良好な結果が得られたということを発表しました。発表後、私の演題に対して整形外科医の先生が質問をしてくださったので、熱くディスカッションをし、大変貴重な経験をさせていただきました。 橈骨遠位端骨折に対する運動療法に関する報告はまだまだ少ないのが現状です。そのため今後も研究を重ねていき、今より少しでも良い治療ができるように精進していきたいと思います。 リハビリテーション科 小野正博 |