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リハビリ通信 No.102 橈骨遠位端骨折後の可動域訓練について

2014年02月11日(火) QAリハビリテーション科1新着情報

PT

橈骨遠位端骨折は「手首」の骨折です。前腕の親指側に橈骨があり、小指側には尺骨があります。その橈骨が遠位(手首に近いところ)で骨折するのが本骨折です。

骨折すると、骨が癒合するまでの期間ギプス固定が行われます。固定する以上、手関節で拘縮(固まってしまうこと)が生じるために可動域制限が生じます。私たち理学療法士はギプス除去後に可動域訓練を行い、拘縮除去・手関節の機能向上を目標にリハビリを進めていきます。

手関節には各運動方向がありますが、日頃患者さんのリハビリをしていると、手関節の掌屈(手首を倒す方向:手首を反らす運動とは反対の運動)運動が制限されていることが多いように感じます。

手関節の掌屈運動は、橈骨手根関節で40%、手根中央関節で60%の動きで構築され、背屈運動(手首を反らす運動)では橈骨手根関節66.5%、手根中央関節では33.5%の動きで構築されます。そのため、この2つの関節での可動性を獲得することが治療のkey pointとなります。特に手根中央関節は掌屈運動の大部分を占めるわけですから、私たち理学療法士はこの部位での可動性を早期に、かつ最大限に獲得できるようにアプローチしています。

リハビリテーション科 小野正博