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リハビリ通信 No.93 腰部脊柱管狭窄症について

2013年11月28日(木) QAリハビリテーション科1新着情報

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腰部脊柱管狭窄症とは、教科書的には「様々な型の脊柱管、神経根管、あるいは椎間孔の狭小化であり、骨性または靭帯性要因により、骨性脊柱管、硬膜管、あるいは両者の狭窄化が生じた状態である。」とあります。難しい事が書かれていますが、簡単に言えば、神経の通り道が骨の変性(骨折も含む)や靭帯の肥厚、骨の配列に異常などにより狭くなってしまい、症状が出現するものです。その典型的症状として「馬尾性間欠性跛行」というものがあります。

馬尾性間欠性跛行とは、しばらく歩いていると脚が痛くなってくるが、休憩するとまた痛みが消失し、歩くことができるといった症状です。腰部脊柱管狭窄症は症状として、腰痛は無く、このような症状が出るという特徴があります。この馬尾性間欠性跛行は今まで理学療法では治らないとされてきていましたが、近年、その効果が注目されつつあります。

しかしながら全ての脊柱管狭窄症に効果があるわけではなく、脊柱管(神経の通り道)の変性が軽度であり、腰椎が過前彎(腰を反っている姿勢)しているケースには効果があるそうです。

腰を反っている状態で拘縮(固まってしまっており、動きが出ない状態)していると脊柱管内の圧(硬膜外圧)が上昇するため、理学療法では腰の筋をリラクセーションしたり、腰の関節(腰椎の椎間関節)の可動域訓練を行います。このようにしてわれわれ理学療法士は、馬尾性間欠性跛行の症状緩和・改善を図ります。

リハビリテーション科 小野正博