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リハビリ通信 No.87 部分荷重訓練について

2013年10月10日(木) QAリハビリテーション科1新着情報

足首の骨折(足関節果部骨折など)や膝関節周辺および大腿骨の骨折などを受傷した場合、松葉杖などを用いて歩行訓練を行います。この時、体重のかけ方が重要であり、適切な時期に適度な負荷のかけ方が重要となってきます。

負荷のかけ方は時期・骨癒合状態により4つに分けられます。

①免荷 → 仮骨(骨折部で新しくできてくる骨のことをいう)形成がまだない時期に行
います。骨癒合ができていないため、体重を全くかけない(免荷)を行い、骨癒合を待ちます。

②接地 → 仮骨形成が出現してきた時期に行います。この時期はまだ形成された仮骨もまだ不十分なため、足を地面に接地する程度の負荷(地面に足を置く程度の負荷)で歩行訓練を行います。

③部分荷重 → 徐々に仮骨が形成されてきている時期に行います。レントゲン写真を主治医がチェックし、骨折したところの状態によって負荷量を決定します。※通常1/3荷重、1/2荷重、2/3荷重と徐々に負荷量を上げていきます。

④全荷重 → 仮骨形成が十分であり、骨癒合状態となった時期に行います。全ての体重をかけ、歩行が安定していれば松葉杖を抜去して歩きます。

このように、徐々に負荷量をコントロールしながら歩行訓練を進めていきます。適切な時期に適度な負荷をかけることは、骨折部の骨癒合を促進するような刺激となります。しかし、仮骨形成が不十分な時期における過負荷は、同部位の再骨折とつながりますし、全く荷重をしていない時期が長くなると骨萎縮が生じてしまうために注意が必要となります。

私達理学療法士は、リハビリ室および日常生活動作の中で、過負荷となっていないかどうかをチェックし、適切な時期に適度な負荷を加えるような歩行訓練を実施します。

リハビリテーション科 小野正博