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リハビリ通信 No.84 橈骨遠位端骨折について

2013年09月18日(水) QAリハビリテーション科1新着情報

橈骨遠位端骨折とは、前腕にある2本の骨(橈骨と尺骨)のうち、親指側にある骨の骨折です。この部位は骨折の好発部位であり、発生率は全骨折の1/6を占めるとされています。

この骨折では、骨折形態によりますが手術をしなければならない場合もあります。(手術をしなくてもよい場合はギプス固定が施行されます。)骨折し、固定期間が終わると手関節や手指に可動域制限が生じているため、リハビリで可動域訓練を行います。

手術をせず、ギプス固定が施行された患者さんにおける「可動域制限」としてよく経験するのが、橈骨の背側を走行する腱(長・短橈側手根伸筋腱、長母指伸筋腱)の滑走性低下です。長・短橈側手根伸筋は手関節を反らすために働く筋肉であり、長母指伸筋は、テーブルに手をついた肢位から親指を起こしてくる時に働く筋肉です。これらの筋肉の延長部にある腱が問題となることが多いように思います。(骨折は橈骨で生じているので、橈骨周辺で制限が生じやすいということは容易に想像できると思います)。制限となるのはこれだけではないですが、患者さんのリハビリをしていく中で、これらが多いように感じます。

私達理学療法士は、これらの腱を運動より滑走させ、可動域制限の改善に努めます。

リハビリテーション科 小野正博