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リハビリ通信 No.81 変形性膝関節症における膝蓋大腿関節の痛みについて

2013年08月08日(木) QAリハビリテーション科1新着情報

変形性膝関節症の中で、膝蓋骨(膝のお皿)付近で痛みが出ることがあります。階段の上り下りの動作、立ち上がり動作をした時に膝の前面、特に膝蓋骨周辺で痛みが出るのが特徴です。

膝蓋骨の裏面は軟骨に覆われており、大腿骨(太ももの骨)と接することにより関節を形成します。この接触面で膝蓋骨が決まった運動軌跡を辿ることでスムーズな膝の運動が可能となります。

しかし、この膝蓋骨の運動が正常な運動軌跡を辿らない(abnormal tracking)状態になると膝蓋骨の軟骨部で摩擦が生じ、変形や痛みの発生につながります。

膝蓋骨の正常運動軌跡を乱す原因としては様々なものがありますが、その一つとして大腿四頭筋の硬さ(tightness)や筋力低下があります。

大腿四頭筋とは、字のごとく四つの筋肉から構成される筋肉です。最も深層に位置する中間広筋、内側に位置する内側広筋、外側の外側広筋、そして表層にある大腿直筋からなります。

これら四つの筋の柔軟性、筋力がバランス良い状態であれば膝蓋骨の運動は正常な軌跡を辿ります。しかし、このバランスが崩れてしまうと膝蓋骨の運動軌跡が乱れてしまうことになり、膝蓋骨裏面の軟骨が摩耗していきます。

(例)外側に位置する外側広筋が硬い場合

→膝蓋骨は外側へと引っ張られ、外側に偏った運動軌跡となります。

我々理学療法士はこの大腿四頭筋の柔軟性・筋力を評価し、膝蓋骨が正常な運動軌跡を辿るように治療を行います。

リハビリテーション科 小野正博