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リハビリ通信 No.62 自動運動と他動運動

2013年03月10日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

関節の運動は、自動運動と他動運動では大きな相違があります。

自動運動とは、自分の意思による筋収縮を用いて目的とする身体の部位を動かすことをいいます。これに対して、他動運動とは、他者や自分のサポート、機械など他からの介助や外力を用いて身体の部位を動かすことをいいます。

関節の機能が正常に働けば、自動運動と他動運動の可動範囲には基本的に差が生じません( 膝屈曲など一部の関節運動では正常においても差があります )。しかし、臨床においては、他動運動での可動範囲まで自動運動では動かせないという現象がみられます。

例えば、椅子に座って膝を伸ばす時、他者が手を添えれば膝はまっすぐに伸びるのに、自力で膝を伸ばすとそこまで膝が伸びない場合があります。このような現象をラグといいます。
ラグが生じる原因は、筋力低下、筋収縮効率の低下、軟部組織の癒着による滑走障害、関節水腫、神経麻痺など様々な原因が考えられます。

 
理学療法では、他動運動と自動運動で関節の可動域に差がないかを確認し、ラグが生じている場合はその原因を評価により特定していきます。そして、原因に対するアプローチを行い、日常生活において十分に発揮することのできる関節機能の獲得を目指していきます。

リハビリテーション科 奥山智啓