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「覚悟 理論派新人監督は、なぜ理論を捨てたのか」

2012年12月22日(土) 新着情報

栗山英樹監督の「覚悟 理論派新人監督は、なぜ理論を捨てたのか」を読みました。

日本ハムファイターズの監督として1年目からリーグ優勝を成し遂げた栗山英樹監督ですが、確か下馬評は低かったですね。日本ハムファイターズからは絶対的エースのダルビッシュ有が抜けて、ドラフト1位の投手にも入団を拒否されて、何より栗山英樹監督に現場の実績が全くないことが評価を随分低くしていたようです。それがふたを開けてみれば見事に接戦を制してのリーグ優勝、それに至るまでの一人一人の選手とのやりとりや心の交流が本書では生き生きと伝わってきます。

理論派の新人監督が‘理論を捨てた’、とタイトルでは言っていますが、本文では「理論を持った上で、それに固執しないこと、肌感覚を敏感にさせることこそが、勝利のために必要だったのだ。」と栗山英樹監督は述べておられます。

栗山英樹監督は初めて監督を経験して一番の衝撃は、プロ野球という存在そのものが衝撃だったと述べておられます。毎日が苦しい、一日中苦しいと…。そして毎日自分にこう言い聞かせているそうです。「明日はいいが、今日だけは全力を尽くせ!」

栗山英樹監督は現役最後の年に、新しい監督としてスワローズにやってきた野村克也監督に「覚悟に優る決断なし」と教わったそうです。そして野村克也監督は、覚悟するこということは、結果を全て受け止める心構えで、迷いなく勝負に挑むということ、それを持って前へ突き進めと選手達に説いたそうです。栗山英樹監督は少しでも自分のためを考えたら、それは覚悟ができていないということだと述べておられます。

最後まで感謝の言葉で締めくくっておられる栗山英樹監督が、理論と情熱と人心掌握術によって、経験に優る強敵に競り勝ったということも納得できるように思えました。

皆様、是非お読み下さい。