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リハビリ通信 No.42 損傷した組織の修復反応

2012年10月08日(月) QAリハビリテーション科1新着情報

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外傷や手術などで組織が損傷すると、脳は緊急事態と判断して体を守るための炎症反応を起こします。

そして、炎症反応が生じた後には損傷した組織を修復する反応が起こります。修復反応は、損傷した組織が周囲の組織とくっついたり(癒着)、かさぶたのような本来の組織とは少し異なる組織(瘢痕組織)に置き換わったりすることで、時間とともにある程度修復された状態となっていきます。

修復過程において、損傷組織に早い時期から負荷をかけすぎると修復を阻害してしまい、治癒が進まなくなります。一方で、必要以上に癒着や硬い瘢痕組織を形成してしまうと、筋収縮が不十分になったり、関節可動域が制限されたりする要因となり、日常生活活動(ADL)に支障をきたしてしまいます。

修復反応にかかる時間は、損傷の程度や損傷した組織によって異なります。整形外科のリハビリでは、損傷した組織の修復過程とその時期に合った治療プログラムを選択していくことが重要となります。

理学療法では、組織の治癒を進めながら癒着や瘢痕化を最小限に予防することで、関節可動域や筋力を確保し、日常生活活動(ADL)能力の低下を防いでいきます。

リハビリテーション  奥山智啓