リハビリ通信 No.18 膝前面痛の原因 -膝外側支持組織の柔軟性低下-
2012年03月22日(木) QAリハビリテーション科1新着情報
膝関節の外側を支持する組織には、外側広筋、外側膝蓋支帯(縦走線維・横走線維)、腸脛靭帯、大腿筋膜張筋、大腿筋膜などがあります。これらの組織は層構造をなしており、互いの線維が連結して密に絡み合っています。何らかの影響でこれらの組織の伸びや滑りが悪くなると、膝前面痛や階段昇降時痛、さらには腰痛の原因となりやすいことが報告されています。 例えば、大腿骨外側上顆の膨隆を腸脛靭帯が繰り返し乗り越えることによって摩擦による炎症を生じたり(腸脛靭帯炎)、膝蓋骨の外上側部に牽引力が生じて有痛性の分裂膝蓋骨や膝蓋骨脱臼の原因となったりします。また、膝を曲げていくときに膝蓋骨が外側に引っ張られながら動くことで、膝蓋骨が不安定となり膝蓋大腿関節周囲の軟部組織に疼痛を生じることもあります。 筋の収縮訓練やストレッチングにて、膝関節の外側を支持する組織の柔軟性を改善することが重要となります。 リハビリテーション科 奥山智啓 |