骨粗鬆症

骨粗鬆症とともに Vol.45 骨粗鬆症治療薬 サーム製剤

2020年11月01日(日) 新着情報1骨粗鬆症

女性は閉経後エストロゲン(女性ホルモン)の血中濃度が低下し、骨が弱くなっていきます。サーム製剤と言われる選択的エストロゲン受容体作動薬は、エストロゲン受容体に結合し、組織特異的にエストロゲン、抗エストロゲン作用を示すお薬です。

骨組織や脂質代謝に対してはエストロゲン作用を示しますが、乳房や子宮内膜に対してはエストロゲン作用を示さないため、乳がんが増えるなどの心配はありません。

大規模な臨床試験で椎体骨折抑制作用が確立されており、閉経後骨粗鬆症の患者様に多く処方されているお薬です。ビスホスホネート製剤のような複雑な飲み方が不要なため、管理もしやすいお薬です。

副作用として静脈血栓塞栓症があげられています。千人から数千人の確率で発生すると言われており、急に足がむくみ出す、視野がかすんで見えにくくなるなどの症状が出たらすぐに担当医の診察を受けるようにして下さい。

骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献

石橋英明 骨粗鬆症の最新治療 主婦の友社 2016


骨粗鬆症とともに Vol.44 高齢者の転倒

2020年09月21日(月) 新着情報1骨粗鬆症

高齢者の骨折の原因となるうる転倒は日常的に突然起こります。転倒事故の61.6%は住宅などの居住場所で起こっており、高齢者が救急搬送される理由の8割以上が「転倒、転落」ということです。では具体的にどのような場面で転倒が起こりやすいのでしょうか。その対策も上記にまとめてみました。

住み慣れた我が家や居住環境にも転倒の危険が潜んでいるかもしれません。コロナ禍の外出自粛により筋力が低下してしまっている方も多いのではないでしょうか。もう一度チェックし、対策することが必要かもしれません。

 

骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献

OPJリエゾン 第2号 2020 ライフサイエンス出版株式会社


骨粗鬆症とともに Vol.43 国際骨粗鬆症財団からのメッセージ

2020年07月30日(木) 新着情報1骨粗鬆症

新型コロナウィルス感染症の拡大を受けて、国際骨粗鬆症財団より骨粗鬆症患者に向けてメッセージが発信されました。その内容についてご紹介します。

・十分な情報を入手し、安全に配慮してほしいこと

・骨粗鬆症そのものや治療薬服用が感染のリスクや重篤な合併症のリスクを高めるものではないこと

・自宅での転倒に注意し、骨折を予防すること

・骨粗鬆症治療薬(カルシウムやビタミンDなど)を中止せずに継続すること、気になることがあれば主治医に相談すること

・骨粗鬆症治療のための注射や点滴、内服の投与が一時的に中断、キャンセルされることがあっても、長期的な骨の健康へ影響を与えることはないこと(ただしデノスマブ(プラリア)を注射している場合には、4週間以上遅らせないようにすること)

このような内容を発信しています。

治療に関して心配なことがあればご相談下さい。十分な対策で感染を防止し、ご自愛いただきたいと思います。

骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂

参考文献

OPJリエゾン、ライフサイエンス出版株式会社 2020


骨粗鬆症とともに Vol.42 低栄養になっていませんか?

2020年06月30日(火) 新着情報1骨粗鬆症

骨粗鬆症を予防するうえでまず大切なのはバランスのとれた食事を心がけることです。しかし高齢者では必要な栄養が十分に摂取できず、低栄養状態になっていることも多いです。

高齢者の低栄養傾向の基準はBMI20kg/㎡以下とされており、当てはまると要介護や総死亡リスクが優位に高くなるとされています。BMI20kg/㎡以下の方の特徴として、①筋肉量が少ない、②外出する機会が少ない、③咀嚼(かむ)能力が低い、④栄養素の摂取不足などがみられます。十分な栄養を食事からしっかりと摂取するためには、このような背景にしっかりと目を向けていく必要があります。私達看護師も日々関わる患者様を十分に観察し、介入していきたいと思います。

患者様や家族の方には上記の食品摂取多様性スコアを活用し、ご自身の食事をチェックし、低栄養改善に努めていただきたいと思います。

骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献

OPJリエゾン、2020年4月発行、ライフサイエンス出版株式会社


骨粗鬆症とともに Vol.41 腰を痛めない物の持ち方

2020年05月24日(日) 新着情報1骨粗鬆症

レントゲンの結果背骨の圧迫骨折があった、いわゆる「ぎっくり腰」と言われる急性腰痛や椎間板ヘルニアなど、腰痛を主訴に受診に来られた患者さんから問診をすると、重たいものを持ち上げた後から痛みが出たと言われる方が非常に多いです。

物を持ち上げる際、上半身で前かがみになる(背中を丸める)、脚が伸びた状態、物を身体から離して持つなどが、痛みの出現しやすい危ない持ち方です。痛みが出現しにくい安全な持ち方として、腰を伸ばして膝を曲げる、骨盤から前かがみになる、物を身体の近くに引き寄せて持つ、このような態勢を心がけ急がずゆっくりじわじわと持ち上げるようにします。

痛みが出た場合は受診し、正しい治療を行うことをおすすめしますが、日常的にこのような動作を意識して行うことで痛みを少しでも回避できるようにしていただきたいです。

 

骨粗鬆マネージャー 石山瑞穂

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献

骨粗鬆症財団発行 カノープス14号 2020年3月発行