

骨粗鬆症とともに Vol.46 骨の強さは何で評価するの?
2020年11月19日(木) 新着情報1骨粗鬆症
骨折を予防するために丈夫な骨の状態を維持できるよう、食事や運動に気をつけている方は多いと思います。病院では骨粗鬆症の診断のために、骨密度検査をすることがありますが、骨の丈夫さ=骨密度が高いではありません。骨粗鬆症とは、骨密度の低下と骨質の劣化のため、骨強度が低下して骨折しやすくなる疾患と定義されています。このように骨の強さ(骨強度)は骨密度70%、骨質30%の要因で決められています。 骨密度は骨の中のカルシウムの含有量を示す測定値で、よく病院や検診などで測られているものです。骨質は骨の微細構造や骨代謝の状態、微小骨折の有無、石灰化の状態などで決まりますが、骨質を評価する方法はないため骨粗鬆症の検査に骨密度を測っています。 骨密度は正常範囲なのに骨折を起こしてしまったという、骨密度に依存しない骨折のリスクの上昇は、骨質の劣化が一因である可能性があります。 現在骨質そのものは臨床的に定量化できないため、今後の研究が待たれているところです。
骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂 参考文献 石橋英明 骨粗鬆症の最新治療 2016 主婦の友社 Osteoporosis japan PLUS 第4巻 第4号 2019 |



骨粗鬆症とともに Vol.45 骨粗鬆症治療薬 サーム製剤
2020年11月01日(日) 新着情報1骨粗鬆症
女性は閉経後エストロゲン(女性ホルモン)の血中濃度が低下し、骨が弱くなっていきます。サーム製剤と言われる選択的エストロゲン受容体作動薬は、エストロゲン受容体に結合し、組織特異的にエストロゲン、抗エストロゲン作用を示すお薬です。 骨組織や脂質代謝に対してはエストロゲン作用を示しますが、乳房や子宮内膜に対してはエストロゲン作用を示さないため、乳がんが増えるなどの心配はありません。 大規模な臨床試験で椎体骨折抑制作用が確立されており、閉経後骨粗鬆症の患者様に多く処方されているお薬です。ビスホスホネート製剤のような複雑な飲み方が不要なため、管理もしやすいお薬です。 副作用として静脈血栓塞栓症があげられています。千人から数千人の確率で発生すると言われており、急に足がむくみ出す、視野がかすんで見えにくくなるなどの症状が出たらすぐに担当医の診察を受けるようにして下さい。 骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂
参考文献 石橋英明 骨粗鬆症の最新治療 主婦の友社 2016 |
