新着情報

リハビリ通信 No.11 肩峰下での大結節の動きについて

2012年01月21日(土) QAリハビリテーション科1新着情報

健常人でも前腕回内位(手の甲が正面を向いた状態)で外転挙上を行うと、大結節が肩峰下で引っ掛かり(インピンジメント)外転挙上が出来ません。逆に前腕回外位(手のひらが上を向いた状態)で外転挙上を行うと肩峰下を大結節が通り抜け、180°挙上肢位を保持することが出来ます。

肩に疾患がある患者さんの場合、前腕回外位で外転挙上を行っても、肩峰に大結節が引っ掛かり挙上困難になることが多く見られます。なぜならば、肩甲上腕関節内の軟部組織に癒着・短縮が起き正常な運動軌跡(normal tracking)を保てず、大結節が肩峰下を通り抜けることができないからです。

理学療法士は正常な機能を獲得するために、変性した軟部組織に対し評価・治療を行います。

リハビリテーション室長 見田忠幸

リハビリ通信 No.10 関節の音が鳴る原因

2012年01月15日(日) QAリハビリテーション科1QA整形外科1新着情報

膝を屈伸する時などに、関節が「ポキッ」と鳴る現象をみなさん一度は経験があると思います。この音の原因はいくつか説がありますが、「関節の中を液体が移動する時に気泡が破裂する音」という説が一般的です。
関節はスムースに動くために液体に包まれ、液体が潤滑油のような役割をして関節運動に合わせて滑らかに移動しています。しかし、急に動かしたときや、軟部組織の硬さや筋力のバランスが悪くて関節が正しい運動軌跡から逸脱して動いたりすると、関節内に加わる圧がアンバランスになり、潤滑油が急激に移動する現象が起こります。この時に発生する気泡の破裂音が「ポキッ」と鳴る音の正体と考えられます。

関節の音が鳴ること自体はそれほど気にする必要はないと思われますが、痛みや違和感なども伴うようであれば、変形性膝関節症や半月板損傷などの可能性も考えられますので注意が必要です。

リハビリテーション科 奥山智啓

外脛骨障害(がいけいこつしょうがい)

2012年01月14日(土) QA整形外科1新着情報

足首の内くるぶしの少し下にもう一つの骨の出っ張りを認める場合は外脛骨である可能性が高いでしょう。

過剰骨と呼ばれる余分な骨なのですが約15%の人に存在すると言われており、症状のない場合もかなり多いです。スポーツなどで痛みが出る場合があり、押さえると痛む場合もあります。小学校高学年から中学生頃に痛みが出る場合が多いですが、高校生頃にはあまり痛まなくなることもあります。

隆起部の圧迫を避ける、クッションパッドを用いるなどの靴の工夫が最も大事です。扁平足を伴っている場合には足底挿板による装具療法も有効です。症状の強い場合には手術を行う場合もあります。

シンスプリント

2012年01月10日(火) QAスポーツ整形1新着情報

運動選手がすねの内側を慢性的に痛がるときにはシンスプリントである可能性があります。

ジャンプを繰り返すスポーツや長時間走る競技の運動選手によく起こります。ふくらはぎの筋肉がすねの骨に付着する部分で筋膜や骨膜が炎症を起こすことが原因だと言われています。使いすぎ、疲労の蓄積が原因なので、練習内容や練習の強度、休息の取り方などの再考が必要です。

足の形が原因の場合や一部の筋肉の筋力不足の問題を抱えている選手もあり、そのような場合には適切な筋力トレーニングや足底挿板による装具療法なども有効です。

リハビリ通信 No.9 肩甲骨の関節包について

2012年01月09日(月) QAリハビリテーション科1新着情報

 

肩甲上腕関節(肩関節)には大きな関節包が付着しています。

関節包は広く薄いため上方・前方が靱帯により補強されています。そして、上下関節包が相対的に等しくなるのは肩関節外転45°位と言われています。下垂時は上部の関節包が張っており下部の関節包は弛んでいる状態にあり、挙上時は上部の関節包が弛んで、下部の関節包が張っている状態になります。

つまり、上肢が下垂位の場合、下部の関節包は弛んでいる状態にあり、癒着・短縮が起こりやすく肩関節挙上制限の一要因になっていると考えられます。

リハビリテーション室長 見田忠幸