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リハビリ通信 No.64 筋収縮の重要性

2013年03月30日(土) QAリハビリテーション科1新着情報

今回は自動運動の効果についてお話しさせていただきます。前回、関節の動きには自動運動と他動運動があるというお話しをさせていただきましたが、自動運動では筋が収縮するという大きなメリットがあります。

筋収縮の効果としては、発熱作用による血液循環の改善や筋の柔軟性の向上、筋ポンプ作用による筋内の発痛物質の排泄や浮腫の軽減、生理学的な作用による筋緊張の抑制や筋の合成・再生など様々な要素が挙げられます。また、筋によっては関節包の引き込み作用による関節の挟み込みの防止を行い、関節運動をスムースにしています。

一方で、例えば筋挫傷など外傷後の炎症期や修復期は、筋収縮が組織の炎症を助長したり、修復を阻害する可能性があります。そのため、損傷組織の状態に合わせて、筋収縮を適応する時期と程度には注意が必要となります。また、軟部組織の状態に応じて他動運動を行っていくことも重要です。ただし、修復過程に生じる組織間の癒着を防ぐためには、やはり筋収縮による滑走が必要不可欠となります。

つまり、運動器疾患において関節のスムースな動きを維持・改善し、動作として十分に機能させていくためには、組織の状態と時期に合わせて、筋収縮による効果を発揮していくことが重要となります。

リハビリテーション科  奥山智啓

「ビジュアルガイド エル・カプリチョ キハーノ邸」

2013年03月28日(木) 新着情報

スペインの生んだ世界的芸術家、アントニ・ガウディが北スペインのコミーリャスに1883年から1885年にかけて建設した「エル・カプリチョ」の名で知られるキハーノ邸は東洋美術やイスラム建築の影響が色濃く反映した建物で、アントニ・ガウディの豊かな発想やイマジネーションがあふれています。

アントニ・ガウディの作品ではサグラダ・ファミリアやグエル公園が特に有名ですが、他にも数々の作品が世界遺産に登録されています。

まさに、このエル・カプリチョも世界遺産級ですね。

以前はレストランであったそうですが、今は観光できる施設になっているそうです。施設の管理者は日本人で黒澤武人氏ですが、実は私と同じ天王寺高校ラグビー部出身です。この本も黒澤武人氏から頂きました。

皆様、是非ご覧下さい。

リハビリ通信 No.63 脂肪組織について

2013年03月23日(土) QAリハビリテーション科1新着情報

脂肪は皮下に存在し、血管・神経を外部の衝撃から守るのと同時に柔軟性が失われた場合、関節拘縮の一要因となり得ます。脂肪組織は関節の筋が付着していない部分で、筋の滑走性を促すように、脂肪組織自体を柔軟に変化(移動・変形)させています。

長期間不動状態があると、その他の軟部組織も含め脂肪組織は柔軟性を失い、関節の正常な運動機能が阻害されることになります。関節が正常な機能を果たすには筋・腱・靱帯など、軟部組織の働きは勿論のことではありますが、脂肪組織の補助的な働き(滑走性)が重要であると考えます。

リハビリテーション室長 見田忠幸

「人生はワンチャンス!」

2013年03月21日(木) 新着情報

水野敬也氏、長沼直樹氏の「人生はワンチャンス」を読みました。

犬の写真で癒されながら偉人のエピソードと名言が学べます、と帯に紹介していますが本当にその通りのユニークな本です。

65の言葉を、スタート、仕事、ロック、リフレッシュ、挑戦、コミュニケーション、幸せの7つのカテゴリーに分けて、それぞれのカテゴリーに関する大事なことを教えてくれます。

ワンコの写真もなかなかキュートですよ。

私(院長)のお気に入りは‘空を見よう’のページの写真と‘攻めの昼寝’のページの写真です。

皆様はどのワンコの写真がお気に入りですか?

リハビリ通信 No.62 自動運動と他動運動

2013年03月10日(日) QAリハビリテーション科1新着情報

関節の運動は、自動運動と他動運動では大きな相違があります。

自動運動とは、自分の意思による筋収縮を用いて目的とする身体の部位を動かすことをいいます。これに対して、他動運動とは、他者や自分のサポート、機械など他からの介助や外力を用いて身体の部位を動かすことをいいます。

関節の機能が正常に働けば、自動運動と他動運動の可動範囲には基本的に差が生じません( 膝屈曲など一部の関節運動では正常においても差があります )。しかし、臨床においては、他動運動での可動範囲まで自動運動では動かせないという現象がみられます。

例えば、椅子に座って膝を伸ばす時、他者が手を添えれば膝はまっすぐに伸びるのに、自力で膝を伸ばすとそこまで膝が伸びない場合があります。このような現象をラグといいます。
ラグが生じる原因は、筋力低下、筋収縮効率の低下、軟部組織の癒着による滑走障害、関節水腫、神経麻痺など様々な原因が考えられます。

 
理学療法では、他動運動と自動運動で関節の可動域に差がないかを確認し、ラグが生じている場合はその原因を評価により特定していきます。そして、原因に対するアプローチを行い、日常生活において十分に発揮することのできる関節機能の獲得を目指していきます。

リハビリテーション科 奥山智啓