「Wの悲劇」などの推理小説で著明な作家の夏樹静子さんが先日死去されたそうです。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 「Wの悲劇」はかつて薬師丸ひろ子さん主演で映画化されました。また夏樹静子さんはテレビドラマでもシリーズで人気のあった作品を数多く手がけられ、とても人気の高い作家の一人であったと思います。 私はかつて「腰痛放浪記 椅子がこわい」という夏樹静子さん自身の体験による作品を読んで感銘を受けたことを思い出しました。著者は想像を絶する腰痛に苦しみ、朝起きた直後からの激痛、柔らかい椅子にはとうてい座れない痛みに悩まされ、電車にも飛行機にも乗れない状態に陥ったそうです。そこで数々の治療者を次々に探し求めても、どれもこれも治らなかったそうです。そして最後は劇的な結末を迎えるのですが、鋭い腰の痛みの原因が内なる魂の叫びであったということでした。 このストーリーは並大抵の推理小説よりも劇的な展開だったと思います。また心因性疼痛というものを多くの方に知らしめた、とても重要なメッセージを含んだ作品だと思いました。 |