膝関節にかかる負担は静止立位時に比べ歩行時3~4倍、階段降段時には7~8倍の負担がかかると言われています。つまり、体重が増加すれば日常生活上での動作時、膝関節にかかる負担は大きくなり、変形性膝関節症へ進行を早めることが考えられます。
体重をコントロールする事は無論、大事ですが膝関節にかかる負担を軽減する一手段として筋力向上、安定した筋出力の発揮が重要と考えられます。膝関節を安定化させる筋として大腿四頭筋があります。大腿四頭筋は大腿直筋、中間広筋、外側広筋、内側広筋と4つの筋線維の集合体として筋活動を行います。大腿四頭筋の中でも大腿直筋は二関節筋として骨盤(下前腸骨棘)から膝蓋骨を介して脛骨粗面に付着し4つの筋の中でも一番大きな筋となっています。股関節、膝関節2つの関節に関与します。その他の大腿四頭筋は単関節筋で膝関節だけに関与します。単関節筋である中間広筋、外側広筋、内側広筋を如何に安定して筋出力、収縮させるかが大事になってきます。
理学療法では選択的に単関節筋の収縮を促し膝関節の安定化を行います。
リハビリテーション室長 見田忠幸