肩関節は棘上筋・棘下筋・肩甲下筋などcuff筋とouter muscleの三角筋、肩甲骨を固定する時に働く僧帽筋中部線維・下部線維、菱形筋、前鋸筋などの肩甲骨固定筋との協調した働きで挙上が可能となります。腱板断裂、腱板損傷が起きた時、棘上筋・棘下筋などcuff筋が上肢挙上時に上腕骨頭を関節窩に引き寄せcuff筋の働きを中心とする支点形成が、できにくい状態になります。つまり上肢が挙上する時に必要なouter muscle、肩甲骨固定筋、cuff筋の協調した働きが起こりにくい状態になり、上肢挙上が不可能になります。
肩関節の解剖学的機能としてcuff筋の支点形成が行いやすい様に肩峰〜烏口肩峰靭帯が「てこ」となり上腕骨頭が関節窩に引き込まれ、支点形成が行いやすい構造になっています。
中高年者は若年者に比べると腱板の表層が肩峰〜烏口肩峰靭帯に接触する数が必然的に多くなり、腱板表層部分が加齢による変性により損傷、断裂する可能性が高いのです。理学療法では損傷、断裂した腱板を代償する様に、その他のcuff筋、肩甲骨固定筋の筋力向上exを行います。
リハビリテーション室長 見田忠幸
中高年の膝の痛みの原因で最も多いのが変形性膝関節症ですが、膝の痛みがある時には運動はしない方がいいのでしょうか?
膝の痛みがある場合でも、生活に支障がない程度であれば運動をしても大丈夫です。また、運動をしている時に多少痛みが強くなっても、運動が終わって30分程度で治まる範囲であれば、翌日も続けてもいいです。ただし、運動後の痛みが翌日まで持ち越す場合は要注意で、このような場合は3日から1週間くらい運動を休んで、日常生活の動きに支障がない程度に治ったら、半分くらいの運動量から徐々に元の運動量に戻すようにしましょう。
骨粗鬆症の予防には適度な運動が大切です。変形性膝関節症では、筋力を鍛えることで症状が軽減することが知られていますので、筋トレも行い、運動を無理せず続けることを目標にしましょう。
しかし強い痛みが続く場合は、関節の中や筋肉に炎症を起こしているかもしれません。そのような場合は迷わず受診するようにお願いします。
骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂
参考資料 日本骨粗鬆症財団発行カノープス11号 2019年9月発行
(日本循環器科学会による提言)
本日、第11回スポーツメディスンフォーラムが開催され、Webで視聴いたしました。
シンポジウム午前の部は”アスリートを総合的に診よう”で、スポーツ内科部門、スポーツ歯科部門、スポーツ栄養部門と、整形外科関連以外の話しで大変参考になりました。特にスポーツ内科部門での心臓突然死は重大なテーマですね。
ランチョン講演は「ブラック部活」著者の朝日新聞社編集委員中小路徹氏が「運動部活動改革の今」を発表されました。「ゆる部活」など、勝利を目指さない多様な部活などのアイディアは、成る程と思いました。日本特有の、体育などの学校教育の中で、スポーツが広まってきたという歴史も、日本におけるスポーツの現況に影響しているようです。
シンポジウム午後の部は”オリパラアスリートを如何にサポートすべきか?我々の優れた点と課題点”でした。サッカー、野球、バレーボール、テニス、柔道、水泳など様々な競技のチームドクターが、豊富な経験を披露してくださいました。2020東京オリパラの先行きが不透明な中、チームドクターの各先生方からは、とても力強い決意のお言葉を聞かせていただきました。本当にありがとうございました。
とても興味深い講演会でした。