THA(股関節全人工骨頭置換術)では術後の問題として人工骨頭股関節の脱臼があります。
脱臼を防止するために手術時には術式、手術の侵入方法、ステム、オフセットの選択、筋・軟部組織、関節包の縫合を行い、理学療法では臼蓋と大腿骨のインピンジメント(骨盤臼蓋部と大腿骨頸部との衝突)により脱臼が起きない様に、インピンジメント防止を目的に筋のバランス・協調性を考慮に入れた筋力向上訓練を行います。また、臼蓋と大腿骨頸部がインピンジしにくい環境(骨盤の前傾が強いと衝突しやすいため骨盤後傾が十分に行える柔軟性の改善)を獲得します。
そして、日常生活では可能な限り低い椅子に座らない、正座を極力行わないなどインピンジメントに注意する様な動作と姿勢について指導を行います。
リハビリテーション室長 見田忠幸