先日、日本医師会と産経新聞社が主催の第8回「日本医師会赤ひげ大賞」が発表されました。
地域の医療現場で長年にわたり健康を中心に地域住民の生活を支えている医師にスポットを当てて顕彰することを目的として、平成24年に「日本医師会赤ひげ大賞」は創設されたそうです。大賞5名と、今回新設された功労賞18名の受賞が決定したそうです。
今回の受賞者の中には、何名か90歳以上と高齢な先生方がおられます。このうち医療法人・社会福祉法人桃蹊会理事長古江増蔵先生は大正10年生まれで、98歳と非常に高齢です。歴代受賞者で最高齢であるということです。古江増蔵先生は施設の巡回では、愛車の電動カートにまたがり、ゆっくりと巡回するそうです。古江増蔵先生は「まだまだ全然歩けるんだよ。それでも、立って回診するのと、カートだと入所者の反応が違う。同じ目線になることで、壁がなくなったんだろう。だから、あえてカートに乗っているんだ。」とおっしゃいます。これは、成る程!と思いました。また古江増蔵先生はこのようにおっしゃいます。「昔はみんな年上だったけれど、いまでは僕の方が上になってしまった。ただ、医師として新しい発見がある。だから本当に毎日が楽しいんだ。」古江増蔵先生は、心から尊敬できる先生であると思いました。
以前は、「日本医師会赤ひげ大賞」の冊子を、クリニックの本棚に置かせてもらって、皆様に回覧していただいておりました。現在コロナウイルス感染症対策のために、本、雑誌類は全て撤去しておりますので、皆様に回覧していただけず、とても残念に思っております。
レントゲンの結果背骨の圧迫骨折があった、いわゆる「ぎっくり腰」と言われる急性腰痛や椎間板ヘルニアなど、腰痛を主訴に受診に来られた患者さんから問診をすると、重たいものを持ち上げた後から痛みが出たと言われる方が非常に多いです。
物を持ち上げる際、上半身で前かがみになる(背中を丸める)、脚が伸びた状態、物を身体から離して持つなどが、痛みの出現しやすい危ない持ち方です。痛みが出現しにくい安全な持ち方として、腰を伸ばして膝を曲げる、骨盤から前かがみになる、物を身体の近くに引き寄せて持つ、このような態勢を心がけ急がずゆっくりじわじわと持ち上げるようにします。
痛みが出た場合は受診し、正しい治療を行うことをおすすめしますが、日常的にこのような動作を意識して行うことで痛みを少しでも回避できるようにしていただきたいです。
骨粗鬆マネージャー 石山瑞穂
参考文献
骨粗鬆症財団発行 カノープス14号 2020年3月発行