昨日、国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター西村秀一先生らが「N95マスクのアルコールによる消毒は禁忌」という発表をされました。
4月10日に厚労省が医療現場におけるマスクの再利用を許す事務連絡を出しました。N95マスクの例外的取り扱いについて、過酸化水素水プラズマ滅菌器による滅菌、過酸化水素水滅菌器による滅菌、5枚のN95マスクを毎日取り替える、の3つの方法が示されています。
西村秀一先生らはN95マスクと不織布サージカルマスクに対して、アルコール消毒とUV消毒の2種類の消毒処理を行い、本来の性能を保持できているか検証したそうです。
結果は、空中浮遊ウイルス通過阻止能は対照を100とした時の通過率が、N95マスクが1、サージカルマスクが4であったのが、UV消毒するとN95マスクが8に、サージカルマスクが6になり、アルコール消毒するとN95マスクが35に、サージカルマスクが12になったそうです。
結論としてマスクはアルコール消毒によって性能が劣化し、特にN95マスクにおける劣化は著しいということでした。N95マスクでの劣化は、その粒子捕集メカニズムが素材の目の細かさによるのではなく、静電気などの分子間力によっているために、アルコールが静電気成分を弱めるなどの働きをするからだそうです。
当院でもマスク不足は深刻で、私は専ら、公的機関から提供していただいたわずかのN95マスクを連日使用しております。先日には、N95マスクを少しでも消毒しようと、アルコール噴霧器でアルコールをN95マスクに噴霧して、乾かして使っておりました。
これはショックですね!
新型コロナウィルス流行終息の兆しが見えない中、緊急事態宣言が日本全国へと発令されました。これ以上の感染拡大を防ぐためにも、ひとりひとりの外出自粛が重要であるとされています。そのため今まで行っていた運動の機会が制限されている方も多いと思います。骨粗鬆症予防には適度な運動が大切ですが、自宅での自粛生活が続き運動不足になっている方も多いのではないでしょうか。そのような方に自宅でもできる運動~前後歩き~をご紹介します。
腕を振りながら前へ1~2歩進み、前を向いたまま後ろに1~2歩下がる、この前後の移動を繰り返す運動です。1分間に120拍くらいのテンポ(速足程度)で行います。スクワットなど筋トレを10回2~3セット行ってからするとさらに効果的です。回数の目安は1日1回10分以上で、筋トレとの組み合わせは週3回程度です。肘を90度曲げ、腕をまっすぐ後ろに引くようにしてしっかり振るようにします。腕を振る時は前より後ろを意識し、肩甲骨を動かすことで、上半身の筋肉を動かしエネルギー消費を促します。継続することで脂肪燃焼、筋力強化と骨量アップの効果があります。運動後は水分、たんぱく質の補給を行いましょう。また、物にぶつかったりつまずいたりしないように、周囲の環境整備を行いましょう。
適度な運動を継続することは骨粗鬆症予防に重要ですが、免疫力を上げる意味でも重要です。効果的に行うことで、屋外でのウォーキングと効果はかわらないと言われていますので是非取り入れていただき、時節柄ご自愛いただきたいと思います。
骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂
参考文献
Osteoporosis japan PLUS 第4巻 第2号 ライフサイエンス出版株式会社 2019