一般的に言う肩関節は、上腕骨と肩甲骨から構成される肩甲上腕関節(GH Glenohumeral joint)です。しかし、肩関節機能として考えると肩甲胸郭関節も含めて考えて行きます。
人が上腕を挙上する場合、上腕が上に挙がるだけではなく、肩甲骨が補助をしながら上腕を180°垂直まで挙上します。肩甲骨の動きを止め、上腕だけで挙上した動きは90°〜100°ぐらいです。上腕骨の挙上時の動きと肩甲骨が上方回旋(上向きに回転する)する動きが合わさり180°挙上が可能となります。
理学療法士は治療をする際、肩甲上腕関節だけではなく肩甲胸郭関節も含め、治療を進めて行きます。
リハビリテーション室長 見田忠幸
骨粗鬆症や骨粗鬆症による骨折を予防するためにはどんな運動をしたらいいですか?と日常の診察場面で患者さんから聞かれることがよくあります。運動というと毎日ウォーキングや水泳など、時間や運動の種類を決めて行う必要があると思いがちですがそんなことはありません。なかなか運動習慣が身につかない、忙しくて時間ないという方は、毎日自宅で簡単にできる筋トレから始めてみてはいかがでしょうか。
背中の痛みの原因が実は圧迫骨折だったという、いわゆるいつのまにか骨折をおこしている方はめずらしくなく、放置しておくとさらに骨折が連鎖します。そうならないための予防のひとつとして背筋を鍛えることをおすすめします。
背筋運動のやり方1
1. うつ伏せに寝て両足は少し開く。両手を軽く組んで腰におく。
2. 息を吐きながらゆっくり上体をそらせる。
少し胸が浮く程度でも十分効果があります。
背筋運動のやり方2
1. 椅子に腰かけて両手を肘から直角に上に上げる
2. ゆっくり息を吐きながら胸をぐっと張って両腕を高さを変えないで両側に開く
3. 息を吐きながらゆっくり上体をそらせる。
4. 息を止めてそのまま10秒静止。
5. 息を吐きながら5秒そのまま静止。
このような方法で毎日10~20回継続して行うと、背筋が鍛えられ圧迫骨折を予防することができます。毎日少しずつ積み重ねることが大切です。
骨粗鬆症マネージャー 石山 瑞穂
引用、参考文献
骨粗鬆症の最新治療、石橋英明監修、主婦の友社、2016
11月2日(土)に近畿手外科研究会に参加してきました。この研究会は肘関節・手関節・手指の領域で、診断や治療方針に困った症例を各病院が持ち寄り、実際に患者様に研究会会場に出席していただき、症例検討を全員参加型で行うという特徴を持つ研修会です。
私は本研究会に初めて参加させていただき、評価の重要性、検査から病態を推察していく手順等、多くの事を学ばせていただきました。その中でも特に印象的だったのが、病態を推察する上で検査や評価を行っていく上で、「徹底的にnegativeなデータを排除する」ということが本研究会で強調されていました。当たり前の話なのかもしれませんが、一つの所見があれば、その所見にどうしても目が行ってしまい、negative date、つまり、否定できる項目がまだ残っているのにも関わらず、治療を進めてしまいがちです。否定できる項目は徹底的に排除し、本質となる所見のみにする作業を決して怠ってはいけないということを改めて考えさせられました。
本研究会で勉強させていただいた事をもとに運動療法を実施していこうと思います。
リハビリテーション科 小野正博