(朝日新聞 2018.5.16より)
熱中症のために救急車で病院に運ばれる人は全国で年間4万~5万人程です。軽症者も含めると年間30万~40万人がなっていると考えられています。真夏だけではなく気温が上がり始める季節も要注意です。暑さが体に慣れておらず熱中症になりやすいと言われています。熱中症は症状の重さにより3段階に分かれています。
めまいや立ちくらみがする 1度 (応急処置)
頭痛や倦怠感がでる 2度 (医療機関へ)
意識障害もある 3度 (入院)
症状が出た場合、対応は頭文字をとった「FIRST」ファーストを勧めています。
Fluid (水分補給)
Ice (体を冷やす)
Rest (涼しい場所で休む)
Sign (15~30分ほど様子をみる)
Treatment(治療・改善しなければ病院へ)
熱中症は十分注意をすれば予防できる病気です。屋外でスポーツをする人はこまめに水分補給を行い、家の中にいる場合は室温に気を付けて暑いと感じたらエアコンをつけることです。
リハビリテーション室長 見田忠幸
来たる7月26日(木)は院長所用のために臨時休診となります。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解ご協力を賜りますようによろしくお願い申し上げます。
骨粗鬆症が原因で発症する骨折は脆弱性骨折と呼ばれ、軽微な外力(一般的には立った高さからの転倒)で発生した骨折を指します。脆弱性骨折の中で最も頻度が高い骨折は椎体(背骨)の骨折で、その半分ほどは知らない間に骨がつぶれ、症状が出ないままに骨折している、いわゆる”いつのまにか骨折”とも言われています。
椎体の圧迫骨折は第11胸椎から第2腰椎あたりとされる、胸腰椎移行部が好発部位で一番多くみられます。次に多いのは第7胸椎を中心とした中位胸椎です。これは脊椎の生理的彎曲、ねじりなどの力学的負担が多い部位であるなどの理由が考えられるそうです。
骨粗鬆症の症状は少なく、骨折を起こしてはじめて症状が出現することがほとんどです。一度骨折を起こすと次々に骨折を起こす連鎖が問題とされています。椎体骨折を1か所起こすと3.2倍、2か所起こすと9.8倍、3か所起こすと23.3倍と骨折再発のリスクがどんどん上がると言われています。さらに椎体骨折の10~20%は1年後も骨癒合していない偽関節の状態と言われており、骨折の症状が遷延することがあります。身長が縮む、背骨が曲がるなどの身体的変化から、逆流性食道炎、呼吸機能の低下など二次的な障害が起こる可能性もあり、治療による予防が重要と言えます。
骨粗鬆症マネージャー 石山瑞穂
参考文献
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版、ライフサイエンス出版、2015