胸郭出口症候群とは、上肢の運動や感覚を司る神経および血管が牽引や圧迫を受けることにより痛みやしびれが生じる疾患です。「圧迫型」や「牽引型」に分類されますが、多いのは牽引型であり、「なで肩であり、肩が下がっているような姿勢の人」がなりやすいというのが特徴です。
肩が下がると肩甲骨も下がります。そうすると図の赤色の点線で示した部位で神経・血管が牽引され、症状が出現します。その原因として最も多いのは「姿勢や肩甲骨周囲筋の筋力低下」であり、筋力低下が生じることにより肩甲骨が下がってしまうため、運動療法ではこの部位の筋力トレーニングを積極的に行い、神経や血管が牽引を受けない肢位の獲得を目指します。
リハビリテーション科 小野正博
前額矢状軸における前額面上の運動で、身体に近づいていく動きをいいます。(図1)
肩峰を通る垂直線を基本軸とし、上腕骨を移動軸としてみることで角度を測定し判断します。参考可動域は0°となっております。また、肩関節を20~40°屈曲させ測定する別法もあります。(図2)
肩関節の炎症や拘縮により内転制限が起こると、夜間痛(肩を下にすると痛い)が引き起こされる可能性があります。従って、問診などから肩関節内転制限とそれらに付随する因子を予想することができます。
リハビリテーション科 堤 豊
公益財団法人 運動器の健康・日本協会から「ストップ!骨折ドミノ」という高齢者の方向けの啓発ポスターを送っていただきました。
高齢者に多い骨粗鬆症による骨折は、原因である骨粗鬆症を治療しないと、骨折を二度、三度と繰り返します。これを「二次骨折」と呼び、高齢者の「二次骨折」は要介護の原因となり、増加してきているそうです。
同協会が「二次骨折予防」を広く国民の皆さんに理解してもらうため、わかりやすい言葉のキャッチフレーズを募集して、「ストップ!骨折ドミノ」が優秀賞に選ばれたということです。
やはり治療の継続が大切ですね!